喪中はがきに添え書きは付ける?記載するときの注意点

喪中はがきに添え書きをすることはマナー違反になりません。基本的に喪中はがきには弔事に関係すること以外は書かないのが原則とされていますが、お礼の気持ちなどを一言書く場合には問題ないとされているからです。
したがって、添え書きを書く相手は特別に一言伝えたいことがある人を、あらかじめ選んでおく必要があります。この記事では、喪中はがきの書き方や切手の種類について、例文もご紹介しながら詳しく解説します。これから喪中はがきを作成する方はぜひ、参考にしてください。

喪中はがきの基礎知識

喪中はがきは年賀状と違い、書き方や送り方、切手の種類に一定の形式があります。ここでは、喪中はがきの概要や送る目的、書く内容、切手の種類について詳しく解説をします。

●喪中はがきとは

喪中はがきとは、親族に不幸があったときに相手に送るはがきです。家族や親戚などの身内が亡くなった場合、毎年、お正月の時期に年賀状をやり取りしている人々に送ります。喪中のため年賀状を遠慮することを知らせる挨拶状です。

喪中はがきを送るのは、先方が年賀状の準備を始める前に済ませておかなければなりません。身内が亡くなった年の11月中旬から12月上旬に送るのが良いとされています。

●喪中はがきを送る目的

喪中はがきを送る目的は、新年の挨拶や年賀状のやり取りを控えることを相手に知らせるためです。通常、親族が亡くなったときは明年も喪に服し、その死を悼むことになります。したがって、喪に服している間は新年のお祝いや挨拶はしないのが基本です。

また、喪中はがきは「誰が亡くなったのか」ということを先方に伝える目的もあります。近年は「家族葬」も増えており、身内だけで葬儀を行うことも珍しくはありません。喪中はがきは会社関係など身内以外の人々に、自分の家族に不幸があったことを通知する役割を担っています。

●喪中はがきに使用する切手の種類

郵便局で喪中用として販売している官製はがきの切手の種類には「胡蝶蘭」がデザインされたものがあり、寒中見舞いや喪中欠礼はがきにも利用できます。
私製はがきで喪中はがきを送る方は、「弔事用63円普通切手花文様」が郵便局などで販売されていますので、こちらをご購入ください。

●喪中はがきに書く内容

喪中はがきに書く内容には、一定の型式があります。内容は、「挨拶文」「喪中の説明」「結びの挨拶」の3点です。それぞれの書き方について解説をします。

・挨拶文
挨拶文には、喪中のためお正月にはつきものの年末年始の挨拶をご遠慮申し上げるという内容を、冒頭に大きめの文字で書きます。なお、通常の手紙で用いられる前文は省略するのがポイントです。時候の挨拶も必要なく、シンプルに「喪中のために年賀を欠礼する」ということを伝えます。

その際は、お正月のお祝いを意味する言葉である「年賀」など賀詞は使わずに、「年始・年頭・新年」という言葉を使うようにしてください。喪中のため、「お正月のお祝い事は控えている」ということが先方に伝わります。

文例)

  • ・喪中につき年頭のご挨拶は失礼させていただきます
  • ・喪中につき年末年始のご挨拶は欠礼いたします

・喪中の説明
挨拶文の次は、自分が喪中であるという説明を記載します。具体的に、「いつ、誰が、何歳で亡くなったのか」ということを簡潔に書いてください。故人の年齢は数え年で記載することが多いようです。

文頭の一字下げはせず、句読点を使わないのが一般的。儀礼的な挨拶状では句読点と行頭の一字下げは行いません。冠婚葬祭における正式な挨拶状や招待状では、句読点や行頭の一字下げは原則使わないという点に留意しましょう。なお、数字は通常使用するアラビア数字ではなく、漢数字で表記します。

続柄は夫婦が連名で出す場合は、夫の側から見た続柄を記載してください。

文例)

  • ・祖父 山田太郎が七月三日に九十歳で永眠いたしました

・結びの挨拶
最後に結びの挨拶として、お世話になったことへのお礼の言葉などを書きます。送り先への深謝や健康を祈る言葉で締めると良いでしょう。この部分には、故人が生前に受けた厚情に対するお礼や、明年も変わらぬお付き合いをお願いするなど年賀はがきに代わる挨拶を記載します。

文例)

  • ・寒さに向かう折からご自愛のほどお祈りいたします
  • ・平素のご芳情を厚くお礼申し上げますとともに 皆様に良い年が訪れますようお祈りいたします

喪中はがきを書くときに気をつけること

喪中はがきを書くときには様々なしきたりやマナーがあります。ここでは、喪中はがきの文面などを書くときに気をつけることについてご紹介しましょう。

●添え書きは書かなくても良い

添え書きとは、はがきの余白に添える一言のことですが、喪中はがきで添え書きをするのは一般的ではありません。年賀欠礼を伝えるのが目的であり、シンプルでわかりやすい内容にする必要があります。

添え書きを書くこと自体はマナー違反になりませんが、書く際は内容に気をつけるようにします。自分や故人が親しくお付き合いをしている方やお世話になっていた方に、添え書きで故人との思い出やお世話になったお礼を伝えることは問題ないでしょう。

●相手が年賀状を書き始める前に送る

喪中はがきは送り先が年賀状を書き始める前に送付するのが望ましいものです。喪中の人はお正月も喪に服し、年賀状のやり取りをしないため、10月下旬から12月上旬頃までに喪中はがきが届くようにします。

一般的に年賀はがきは11月初旬から郵便局やコンビニなどで販売され、12月中旬の時期には郵便局で受付が開始。元旦に届くよう、12月中旬頃、年賀状を投函する人も少なくありません。そのため、遅くとも12月上旬頃までに先方に送るのがベターです。12月までに間に合わない場合は寒中見舞いとして送るのもよいでしょう。

●派手な色使いは避ける

年賀状では赤や金など喜びやお祝いを連想させる華やかな色彩を使います。しかし、喪中はがきは、近しい身内を失った哀悼の意を示すため、派手な色使いは避けるのが一般的です。自分の子供の写真などは避け、弔事にふさわしい絵柄を選ぶようにしましょう。

文字色や絵柄は、薄墨色などの落ち着いた色調でまとめるようにします。なお、喪中はがきで使う文字の色は、葬儀からある程度の時間が経過しているため、香典のように薄墨を用いる必要はありません。あて名書きや差出人欄などは、はっきりとした黒色が見やすいといえます。

また、喪中はがきの絵柄は、花などの植物が描かれていることがよくみられます。よく使用されるのは仏教をイメージさせる蓮の花。仏教徒がこの世から旅立つときには蓮のつぼみに包まれて天に昇るといわれてきました。このような言い伝えなどもあり、喪中はがきには蓮の絵柄が使用されることが多いようです。

コンビニエンスストアのお正月用印刷サービスでは喪中はがき向けの絵柄も用意されており、豊富なデザインからお好きな絵柄を選べます。

セブンイレブンの年賀状印刷では、ネットなら300種類以上の豊富な絵柄が選べます。また喪中印刷も人気の薄墨デザインや大きな名入れデザインなど絵柄が数多くありますので、お好みのデザインを見つけやすいでしょう。マルチコピー機で、追加印刷も店頭で簡単にすぐできます。

セブンイレブンの年賀状印刷

喪中はがきで添え書きをするときの注意点

挨拶文や喪中の説明文だけでなく先方に一言、自分の思いを伝えたい場合は、喪中はがきに添え書きをするのも良いでしょう。ここでは、添え書きをするときの注意点について解説をします。

●添え書きをする相手を選ぶ

喪中はがきを書く際には、原則、添え書きをすることはありません。ただ、葬式や法事に参列してくれた人なら添え書きをしても良いとされています。添え書きをしてもよい相手か考えてから、書くようにしましょう。相手によって、手書きで伝えたいことを書き分けるのもおすすめです。自分の気持ちが先方に伝わりやすくなります。

葬式や法事に出席してくれた方には、参列いただいたことへのお礼を伝える内容が望ましいでしょう。また、故人が生前、お世話になった方には亡くなった方に代わり、深謝の気持ちを伝えるようにします。

●弔事に関すること以外を書くのは避ける

添え書きは、あくまでも弔事に関することを伝えるもの。したがって、出産などおめでたい近況報告や遊びの誘いなど、弔事に関すること以外を書くのは避けるようにします。喪中はがきを出す目的は、亡くなった人を偲ぶ気持ちが伝えることです。

喪中はがき本来の意味から離れてしまうと、受け取る側が困惑してしまうことも考えられます。自分のプライベートでおめでたいことなどを先方に伝えたい場合でも、喪中はがきで報告することは控えるようにしましょう。

●シンプルで落ち着いた内容にする

喪中はがきは、儀礼的な意味合いが深い正式な挨拶状です。そのため、書くときはシンプルで落ち着いた内容にすることを心がけるようにしましょう。一言で表すのがポイントです。

たとえ自分と親しい相手であっても、くだけた表現は避けなければなりません。喪中はがきの一般的なルールにしたがって、定型文通りに礼儀正しく書くようにしましょう。個人的な表現も喪中はがきに関してはNGです。

自分や身内の近況報告をしたいなら別途、寒中見舞いで伝える方法もありますので、そちらで報告をしましょう。

●添え書きの文例

添え書きの文例は以下の通りです。会葬に参加してくれたことへのお礼などを、一言で簡単に表現するようにします。

文例)

  • ・故人の生前はお世話になりありがとうございました
  • ・この度は御会葬いただきありがとうございました
  • ・細やかなお心遣いをいただきありがとうございました
  • ・法要にご出席賜り厚く御礼申し上げます
  • ・ご厚情を賜りありがとうございました
  • ・今後とも変わらぬお付き合いのほどよろしくお願いいたします
  • ・皆さまでどうか健やかに新しい年をお迎えください

喪中はがきの添え書きは弔事に関する一言を伝えよう

喪中はがきに添え書きをするのは、マナー違反ではありません。ただし、基本的には書かなくてもよいとされているため、相手を選んでから書く必要があります。また、書く内容も弔事に関することのみを簡潔に一言で言い表すようにしてください。先方に対する深謝の気持ちも伝えられます。

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