年賀状の住所・氏名・差出人欄を書くときのポイントは?

職場の人や知り合いへ年賀状を出すとき、年賀状(年賀はがき)表面には住所や宛名を書きますが、書き方や文字バランスについて曖昧な方も多いのではないでしょうか。敬意を表す意味でも、正しい書き方とマナーを身につけておきましょう。
この記事では年賀状表面に記載する「住所」、「宛名」、「差出人」の3点を書くポイントを解説します。
なお原則は宛先が目上の人や仕事関係の人の場合は縦書きがマナーです。またボールペンの使用は避け、筆ペンや万年筆などを用いましょう。

年賀状に載せる住所の書き方

年賀状表面の住所には、都道府県名も省略せずに書きます。そのほか、全体のバランスや数字の書き方など、重要なポイントをチェックしておきましょう。

●都道府県から番地までの書き方

1行目には、都道府県・市区町村・番地までを書きます。マンションやビル名がある場合は、その名称・部屋番号などの前で改行しましょう。

1行目は、右を郵便番号の右端と揃え、1文字分ほど下げたところから書き始めるとバランスよく見えます。このとき、都道府県名を抜いて市区町村から書くのはマナーの面で望ましくありません。省略せずに都道府県名から書くようにしてください。

●マンション・ビル名などの書き方

住所の2行目には、マンションやビルなどの建物の名称・部屋番号を書きます。先述の都道府県から番地と合わせて2行以内に収めると仕上がりが綺麗です。

書き始めは1行目の1文字目よりも下げた位置からにすると、見た目のバランスがよくなります。建物名が長い場合は、1行目よりも少し小さい字で書きましょう。

階数や部屋番号は省略せず正確に書いてください。誤配される原因になるだけでなく、マナー面でもNGです。

なお、住所や建物名が長くてどうしても2行で収まらない場合は、3行に分けても問題ありません。区切りがよいところで改行してください。

3行になる場合の文例)

  • 1行目 〇〇府 〇〇市 〇〇区
  • 2行目 △△△△△筋 △△△△△町 一-二-三十四番地
  • 3行目 ○○ハイツ 二〇二号室

●数字の使い方

縦書きの年賀状の場合、番地や部屋番号、階などの数字を書くときは、漢数字を使うのがマナーです。たとえば番地が「1の2の3」であれば、「一-二―三」と書きます。0を表す場合は漢数字の「〇」を用いるのが一般的です。

「23」のような2桁の数字の場合は、「二三」だと判別しづらいため、「二十三」のように十を使って表現します。「12」の場合は「十二」です。

では3桁以上の数字であれば百や千を使うのかというと、必ずしもそうではありません。3桁以上の場合は百や千などの単位語を入れないことが多いです。たとえば「456」は「四五六」、「7089」なら「七〇八九」と書きます。

ただし3桁以上の番地やマンションの部屋番号などは、「103号室」のように算用数字を使うケースも見られるようになりました。とはいえフォーマルな場では原則、漢数字を用いるのが正式と言われています。

なお横書きの年賀状の場合は、逆に算用数字を使うのが一般的です。

年賀状に載せる宛名の書き方

年賀状の宛名書きでは、様と御中(おんちゅう)の使い分け、役職名の書き方など迷いやすいポイントがあります。会社名・部署名・役職名・氏名の書き方を解説します。

●会社名・部署名の書き方

相手の会社名・部署名を載せたいときは、住所と宛名の間に、会社名、部署名の順で書きます。1行に収まるなら「上に会社名、1文字分空けてから下に部署名」、2行になるなら「右に会社名、左に部署名」にします。会社名の文字の大きさは住所と同じか、少し小さめにしましょう。さらに部署名は会社名より小さめに書きます。

このとき、会社名を略して書くのはマナー違反になりますので、必ず正式名称を記載しましょう。たとえば株式会社なら(株)と略すのは失礼に当たります。「株式会社○○」か、「○○株式会社」かにも気をつけましょう。

なお社名にアルファベットが使われている場合、短い表記または一部使用などであれば、英語を横に倒さず縦書きにしても失礼にあたらないとされます。表記が長いときはアルファベットの部分のみ横に倒して書いてください。

●役職名の書き方

役職名は氏名よりも小さな文字で、氏名の上に記載するのが基本です。

役職名が「本部長・課長・係長」のように3文字以内であれば、1行に収めます。「営業部長・監査部長」のように4文字の場合は、氏名の上に2行に分けて書きましょう。「エグゼクティブプロデューサー」のような5文字以上の役職名は、会社名・部署名と同じように氏名右側に記載します。

ただし「代表取締役社長」のように5文字以上であっても、「代表取締役」「社長」と2行に分けて、氏名の上に記載するパターンもあります。

●氏名の書き方

氏名は、年賀状の中央に一番大きな文字で目立つように書きます。書き始めは郵便番号から1文字分だけ空けてください。文字間隔は広めに取ります。氏名に旧字体の漢字が含まれている場合は、そのまま旧字体で書きましょう。

なお、社内や部署内の複数人へ年賀状を送りたい場合でも、連名にはしないのがマナーです。一人ずつに送るか、企業・部署宛にして「○○株式会社(○○部) 御中」とします。

●敬称の使い方

敬称とは、人名や役職名の下につけたり単独で用いたりすることで、相手に敬意を表す言葉です。つまり年賀状で敬称を使う場合は、必ず氏名や団体名の後ろ(下)につけます。

個人に対して使う敬称は「様」です。知り合いに出す場合で連名にする場合はそれぞれにつけましょう。相手との関係性にかかわらず敬称を使うのがマナーです。医師や士業、教師などの特定の職業の人に年賀状を出す場合は、様の代わりに「先生」を使ってもOKとなります。

個人向けの文例)

  • 部長 ○○ 様

連名の文例)

  • 年賀 ○男 様
  • 年賀 ◯子 様

一方、特定の個人ではなく企業や部署、学校などの団体宛に出すときは、「御中」を使います。御中はその言葉自体が「組織の中の人宛」という意味を持っており、原則として宛名以外では用いられません。

団体向けの文例)

  • ○○株式会社 ○○課 御中

ここで注意したいのは、様と御中は併用してはならない点です。下のような形は誤りです。

悪い文例)

  • ○○株式会社 様 御中

法人やその他の組織に所属する個人向けの場合は、御中を省略します。

組織所属の個人向けの文例)

  • ○○株式会社 ○○課 課長 ○○様

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年賀状の差出人の書き方

年賀状の差出人の文字は、宛先よりも小さめに書くことで敬意表現になります。なお裏面に差出人の住所・氏名などを書けば、表面に書かなくてもマナー違反にはなりません。

●住所の書き方

まずは住所から書き始めます。1文字目は年賀状の真ん中よりやや上の位置、かつ1行目を左下の郵便番号の右端に揃えて書くと綺麗です。

改行も宛先と同じく、区切りのよい箇所で行います。基本的には宛先と同じように、「都道府県・市区町村・番地」、「建物名」、「会社名・部署名」と区切るのがおすすめです。

●氏名の書き方

差出人の自分の氏名は、住所より少し大きめに書くとバランスよく見えます。差出人の各行の文字を下揃えにすると、整った印象を与えやすいです。

住所と氏名を合わせて、料額印面下のスペースに収まるようにしましょう。

なお表面の差出人の住所・氏名を省略する場合は、代わりに裏面の本文末尾へ同じ記載をします。

年賀状の住所や宛名書きのマナーを守って気持ちのよい新年を

年賀状の住所や宛名を書く際、特に目上の人や仕事関係の人に出すときは縦書きにし、かつマナーを守った書き方を意識することが大切です。年に1回の記念日にマナーのよい対応ができれば、新年から相手にポジティブな印象も持ってもらえるでしょう。

住所や会社名などは省略しない・漢数字を使う・役職名は氏名の前・敬称は氏名の後といった基本マナーをおさえ、新年から相手の気持ちを晴れやかにする年賀状を目指しましょう。