取引先の会社に年賀状を送るメリットは?注意したい点と敬称の使い方

取引先の会社や上司など、普段お世話になっている方に年賀状を送ることには、相手に対する日頃からの感謝の気持ちを伝えられるなどさまざまなメリットがあります。年に一度の機会なので、先方に喜んでもらえるような年賀状を作成しましょう。
これから新入社員としてお世話になる内定先の会社にご挨拶状として年賀状を送るのもおすすめです。目上の人に良い印象を与える可能性があります。ただ、マナー違反にならない年賀状を作成するには、敬称や肩書を正しく使うなどの注意が必要です。
この記事では、取引先の会社に年賀状を送る際の注意点などをご紹介しますので、これから年賀状を送る方はぜひ参考にしてください。

取引先の会社に年賀状を送るメリット

取引先の会社に年賀状を送ることで、ビジネス上のメリットが期待できます。ここでは、ビジネスツールとしての年賀状の効果について解説しましょう。

●印象アップにつながる

取引先の会社に年賀状を送るメリットの一つは、先方に良い印象を与える可能性があることです。マナーがきちんと守られた年賀状を送ることで、礼儀を重んじる姿勢を伝えることができ、相手からの信頼獲得も期待できるでしょう。

昨今では電子メールやSNSのメッセージ機能で新年の挨拶を済ませる企業もあり、昔ながらの紙の年賀状を送る企業は減少傾向です。経済産業省の調査によると、年賀状の配達数は2008年度では約29億通でしたが、2018年度は約19億通と、10年で34%低下しました。人口の減少や、メールやSNSで新年の挨拶をする人が増えているのが原因とみられています。

確かに年賀状を送るのは、メールの一斉送信などよりも手間や費用はかかりますが、自分や自社に良い印象を持ってもらえる可能性があるというメリットがあります。デジタルが発達した時代だからこそ、ひと手間かけた紙の年賀状は相手に対して温かい気持ちを届けられるでしょう。

●ビジネスチャンスのきっかけになる

年賀状はビジネスツールとして、取引先とのコミュニケーションに活用できます。年賀状を送ることがきっかけで、仕事の人脈が広がるケースもあり得るからです。長い期間にわたってお世話になっている方に送る場合では、旧年中に先方から受けたご厚情に対する感謝の意を表すと、よい印象を持ってもらえるでしょう。今後の変わらないお付き合いも併せてお願いできます。

年賀状は新年の挨拶をするという名目があるため、一度仕事の関係が切れた相手や過去にやり取りしていた相手にも送りやすい書面です。ビジネス上でもう一度コンタクトを取りたい場合に利用します。年賀状がきっかけで再び仕事の付き合いが始まる可能性もあるので、ぜひ活用してみましょう。

取引先の会社に年賀状を送るときの注意点

取引先に年賀状を送る際には、送り方や書き方に気をつけなければなりません。ここでは、取引先の会社に年賀状を送るときの注意点について解説します。

●送る年賀状は一つの部署につき1通にする

取引先の相手が部署の場合、自社の担当者が複数いる場合でも、年賀状は1通だけにしましょう。プロジェクトで仕事をしている場合は、携わっている人が何人かいる場合でも、代表格である担当者個人に宛てて1通出すのが望ましいとされています。

また、重複して年賀状を出してしまったり、送り忘れたりするのを防ぐために、自社の担当者が複数いるときは誰が年賀状を送るかを決めておくとよいでしょう。誰かが送るだろうと思っていたら、実は誰も送っていなかったという事態にもなりかねません。「誰が」「誰に」年賀状を送るかを社内できちんと決めておくようにします。

●企業名は正式名称で書く

宛名欄に記載する会社名は、通称ではなく正式名称とします。「株式会社」を「(株)」と省略して書くのは失礼にあたるので気をつけましょう。有限会社、合資会社、合名会社などでも同じように省略せず書くようにしてください。「株式会社」などが社名の前に付くのか、後ろに付くのかも確認しておくことが必要です。

社名がアルファベット表記の場合は、大文字、小文字、綴りを間違わないように注意します。社名の一部のみがアルファベット表記の会社など、表記の文字数が短い場合は横に倒して書くのではなく、縦書きで記載してもマナー違反にはなりません。アルファベット表記が長い社名の場合は、表記部分のみ横に倒して、縦書きで記載するようにしましょう。

●手書きの一言を添える

年賀状に一言メッセージを手書きで添えると温かい印象を与えられる可能性が高まります。せっかく先方に見てもらっても印刷しただけの年賀状では味気なく映り、相手に対するお礼や気遣いを伝えられません。年賀状は本来、新年をお祝いすると共に相手の健康や幸せを祈るものです。手書きで相手の健康や幸せを祈る一言を添えることで、年賀状に温もりや丁寧さをプラスできます。また、相手の記憶にも残りやすくなるでしょう。

注意点としては、手書きで添える文言は年賀状に印刷されているメッセージとは違うものにすることです。たとえば、挨拶文として「旧年中は大変お世話になりました」と印刷されているのに、添え書きでも「○○さんにはお世話になりました」と書かれていたら、送られた側は妙な気持ちになるでしょう。このように重複する文言は避けるようにしてください。

年賀状はビジネスにおいて、よい印象を与えられる可能性がある有力なコミュニケーションツールです。ビジネスシーンで送る年賀状のポイントや手書きの一言の例、について知りたい方は、以下の記事をぜひ参考にしてください。

ビジネス向け年賀状について

●忌み言葉の使用を避ける

年賀状に書く言葉は目にしたときに心の中が華やぐような、「健勝」「感謝」「充実」など明るい言葉を使うようにしましょう。新しい年を祝う年賀状に忌み言葉を使うことはNGです。忌み言葉とは慶事や弔事で使うことを避けたほうがよいとされる言葉で、「去る・切れる・終わる・絶える・失う・落ちる・暗い・病む」などがあげられます。

これらの言葉は別れや不幸をイメージさせ、縁起が悪いとされているので、使うことは避けましょう。たとえば、去年の「去」には「去る、離れる」という意味があるので、「昨年」「旧年」などの言葉を使用します。

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●敬称や肩書きの使い方に気をつける

取引先などビジネス関係の人に宛てて送る年賀状では、敬称や肩書きの使い方に特に気をつけなければなりません。敬称や肩書きを正しく表記できていないと、相手からの信頼を損ねるおそれもあるので注意しましょう。敬称は、送る相手の立場や肩書きなどで使い分ける必要があります。

肩書きを持っている人に年賀状を送るときは、宛名欄に肩書きも併せて書くようにします。肩書きは名前の上に書くことが基本とされていますが、例外もあります。以下に具体例を示しますので、参考にしてください。

  • ・肩書き3文字以内(課長・部長など):名前の上に1行で書く
  • ・肩書きが4文字(営業部長・名誉顧問など):名前の上に2行に分けて書く
  • ・肩書きが5文字以上(○○○部第3グループ長など):部署名がある場合は下に書く

敬称については下記のように使い分けます。

  • ・個人に送る場合:様(先生)
  • ・企業や団体に送る場合:御中

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取引先の会社に送る年賀状の敬称の使い方

取引先に送る年賀状の宛名書きで特に注意したいのが、敬称の種類と書き方です。ここでは、具体的な書き方を紹介していきます。

●個人宛に送る場合

個人に向けて送るときは、名前の後に「様」をつけるようにします。会社に所属している人であっても、「○○部長様」というように、肩書に「様」をつけて書くことは避けましょう。二重敬称になってしまいます。なお、公的な機関への宛名書きでは「様」ではなく「殿」を用いることもできます。たとえば、「○○市教育委員会殿」、「国立○○研究所○○所長殿」などといった場合です。

書き方の例は以下の通りです。

  • 株式会社ABC(企業名)
  • 営業第2部(部・課などの名前)
  • 山田太郎 様(個人名+敬称)

肩書きのある相手へ送る場合は個人名の上などに肩書きを様書いてください。

●会社や部署に対して送る場合

会社や部署に向けて送るときの敬称としては、「御中」もしくは「御一同様」を使うのがルールです。「御中」には「組織の中の誰かに向けて」という意味があり、特定の個人宛に送らないときに使用されます。

なお、「御中」と「様」は併用できません。たとえば「株式会社○○ 御中 ○○様」と書くのは間違いです。この場合、「御中」は削除して「○○様」と個人に対する敬称のみを使います。

年賀状は取引先との大切なコミュニケーションツール

取引先に送る年賀状は、年に一度の大切なコミュニケーションツールの一つです。相手との関係性をよい方向へと導けます。ただ、相手に気持ちよく受け取ってもらえる年賀状にするには敬称や肩書を正しく書くなどがポイントです。マナーを守りながら、相手に対する気遣いが感じられる年賀状を作成しましょう。